旅行記(その3) 【1日目】夕食。だいせん。|
さて、シャワーを浴びて夕食へ。役場お勧めの店の中からヤギ料理の「だいせん」をチョイス。場所がメイン通りではなく、一抹の不安を覚えるが、地図と看板に従い店を探す。島の店は、概して店の入り口が暗い。悪く言うと、怪しいスナックのような感じだ。しかも「だいせん」に近づくに従って建物もまばらになり、通り過ぎる数軒の店の明かりも怪しい。どの店もオリオンビールの看板がやけに明るく光っている。しかも、この季節の奄美は寒い。なんだか"冬も近づき木枯らしが吹く日本海に面した港町"の雰囲気だ。「だいせん」の入り口は更に奥にあった。「だいせん」の入り口は、りっぱな木の看板で明かりも上品な感じだった。これまた私の不安と密かな好奇心を高めることになる。付近の店がいわゆる「怪しいスナック」ならこの店は「怪しいスナック街にポツンとある高級小料理屋」といった感じ。やけに高い酒と肴で、落ち着くことなく飲まなければならなくなってしまう。 「まぁ、それはそれでいいっか」ガラガラっと戸を空けて中に入った。 |
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中は、いわゆる「九州の島」風の作りになっていた。この「九州の島」風というのは私がつけたのだが、以前行った種子島、徳之島でのお店と同じような作りであった。「九州の島」風の特徴は、"オープンな厨房"と"個室の座敷"である。カウンターの奥の厨房は非常にオープンで、調理の様子が全て見える。また、座敷は一間一間が障子で仕切られており、かつ廊下とも障子で仕切られている。完全な個室である。この店の特徴として、「カウンターの畳席」がある。これは、"カウンターの椅子が畳地になっている"ということではない。カウンターに畳がつながっているのだ。お客さんは胡坐をかきながらカウンターに向かうことになる。 他に客はいない風だった。「こんばんは〜」ちょっと迷いつつ、入り口に近いカウンターに座る。 厨房では2人のおばさんと若いおにいちゃん。見慣れない客に対して関心も示さずに調理を続けていた。おばさんの一人に「役場で「ヤギ料理のおいしい店だから是非」と言われて来たんですよ!」と言うと、おばさんの顔がパーッと明るくなり、「あらあら、そうなの!そうよ。ウチのヤギ料理はおいしいのよ!いっぱい食べていって!」と軽やかに言葉が出てきた。メニューを見ると、いわゆる普通の定食・丼ものが並ぶ中に、「ヤギの刺身」「ヤギのスープ」「ヤギのすき焼き」などがあった。ヤギ肉は癖があり、好みが分かれるところである。「何がお勧めですかぁ〜?」「刺身がいいけれど、クセがあるからねぇ。すき焼きなんてのも良いのよぉ。」 病み上がりでもあり、確かに生はちょっとつらいかも知れないと思い、すき焼きとスープ+ごはんを頼むことにした。(もちろんその前にビールは頼んだ) |
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すき焼きは、意外と手間をかけて作っている。おそらく中華鍋のようなもので具材を炒めてからスープを注ぎ煮込んだと思われる。 すき焼きは、肉のポソポソ感が残り、いかにも「ヤギ」を感じさせてくれたがタレの味も程良くしみていてごはんに合う料理であった。ヤギのスープは、白濁していて中に出汁を取った骨付きブロック肉が大きく1個入っている。香りは少しクセがあるが、味は意外にもあっさりとしていた。二日酔いの朝に食べるのは辛いかな。 「クセがあるけど、おいしいですね。このヤギ!」 「そうでしょう〜! このお店、21日にニュースステーションに出たのよ。」 「えぇぇ〜っ 一昨日ですか?知らなかった。。。。」 「残念ねぇ。。。 ゴマの話も出たのに。。。」 そう、ここ喜界島は日本一のゴマ生産量を誇るのだ。もっとも、現在の日本のゴマの9割は輸入なのだが、残り1割の大部分がこの喜界島で生産されているのは本当に驚きであった。 私への料理を出し終わり、奥の座敷にいた団体を送り出して一段落ついたおばさん達は、厨房のテーブルにつき、遅めの夕食を取り始めた。「喜界のゴマは本当においしいのよ。こうやってすりつぶすとすごく香りが出るの。ほらっ!」 確かに、甘く上品な香りが漂う。 2人はご飯にゴマをぱーっとかけて食べ始めた。 「どこからいらっしゃったの?」「埼玉です。職場は東京なんですよ。」「あー そうなの!そういう風に通勤する人が多いのね。 そうそう、つい数日前東京から来たという男の人がこのお店に来て色々とお話していったの。 確か、東京で居酒屋を経営しているって聞いたなぁ。。あなたの職場から近いかしら。」と言ってメモを差し出した。 「ここなら、会社帰りに寄れますよ。行ってみようかな。」「「だいせんのヤギ料理」って言えば、分かるはずよ。ホッホッホッハっ」 |
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お昼に、スーパーに行っておにぎりとかうどんとかを買って食べた話をした。「うどんは確か、「おのづうどん」と書いてありましたけど有名なんですか?」 「おのづ? ふーん。おのづでうどん出してるんだ。。どのお店で売っていたの?」と逆に感心されてしまった。どうも、喜界町小野津(おのづ)というところにあるお店のうどんらしい。 パックの中に平打ち麺がぎっしりつまり、タレが若干かかっている。少し甘い感じのタレだった。 「そうそう、おみやげならばザラメを買って行ったら良いよ!」ともう一人のおばさんが目を輝かせて言う。そうだ。喜界島をはじめ奄美や沖縄では黒糖の生産も盛んである。しかし、黒糖のザラメが話題に上ったのは初めてだった。スーパーで確かに売っていたがあまり気にしていなかった。 「こっちのザラメは、香りも味も良くて何にでも使えるのよ。料理にも入れるし、コーヒーにも入れるの。おみやげに是非買って行きなさい!安いし。一袋200円くらいだから。」 |
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そう言えば、ヤギを島内で見かけなかった。波照間島に行ったときは(リンク)、道路の脇に突然ヤギがつながれており、自転車で通りすぎるとずーっとこちらを目で追っていたものだった。「さっき食べたヤギは、どこのですか?」 「あのヤギは、ウチで飼っているのよ。運動もしているしすごくおいしいでしょ?」 「へー〜!そうなんですか! どうりでおいしいと思った。健康に育っているんですね。」 |
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「良かったら、明日 家に来たら! 家はカドンなの。ここから島の反対側だけど、車借りてるんでしょ?じゃあ大丈夫。明日10:00くらいならば私ヤギ小屋に出ているから、来なさいよ! 家はカドンの中の郵便ポストのある家だからすぐ分かるから。じゃ、明日!」 ここまで15秒くらいだった。明日の予定は決まった。 ちなみに、カドンとは「嘉鈍」と書き、喜界島東海岸側の真ん中あたりに位置する集落である。今いる中心部からは若干遠い。といっても車で20分くらいだろうか。 |
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外は寒かったが、温かい料理となによりおばさんの温かい話が心に浸み入った。でも、町中に人気は少ないなぁ。。。 (この後、宿に戻ったらデジカメの充電器がなくなっていることに気づいた。どうも鹿児島空港から喜界島空港に来る間でなくしたらしい。。。。鹿児島空港でちょっくらコンセントを借りて充電していたからバチがあたったのかも。。。) |
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| 旅行記(その1) (1日目)出発。朝日酒造。 | |
| 旅行記(その2) (1日目)役場。喜界島酒造。 | |
| 旅行記(その3)夕食。だいせん。 | |
| 旅行紀(その4) (2日目) 喜界島1周。 | |
| 旅行紀(その5) (3日目) 朝日と島探検。 |
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