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北大東島 旅行記 その2


1月13日

5:30 “沖縄で最も早い日の出”を見るために起床。空港を超えた先にあるという沖縄最南端の碑を目指す。最大の厚着で宿を出たが、寒い!暗い!何も見えない。北からの風がサトウキビ畑を揺らし、不気味な感じさえ覚える。昨日通った道から推測しながら、まずは空港へ向かう。空港の南端からその向こうに行けると二六荘の主人には聞いていたのだが、よく分からない。間違って江崎港まで行ってしまった。戻ってきて良く見るとメイン道路の脇からすっと分かれる道がある。ここだ!はっきりいって分かりにくい
し看板はない。後で、南大東に先に行った旅行者から聞いたところ、「南大東はそれなりに案内看板、標識があるが、北大東は全然ない。分からない。地図もあてにならない。」納得。。。

5:50 沖縄最南端の碑到着。空港の滑走路脇のガタガタ道を進んでやっと着いた。はっきり言って不気味だ。。明かりが全くない。記念碑のようなものはあるが、まだここは水際から10m程度上にある。前方下からは荒々しい波の音が聞こえてくる。どうやら下の方まで行けそうだ。 勇気を出して降りていく。

6:00 急な下り坂を降り、水際まで来た。波は直接ここには来ない。数十メートル先の水面下の岩に当たってくだけているようだ。そうはいっても、迫力ある音だ。この先は1000kmあまり何もない。はるか先には八丈島があるはずだ。すごいところにいる自分を実感する。

水面から顔を出した、「沖縄で最も早い日の出!」
7:00 若干雲が出ているのもあり、今回は太陽を見ることはできないかと思った。あきらめかけて腰を上げた瞬間、水平線にオレンジ色の点が! 久しぶりに水平線から太陽を見ることができた。 これが沖縄で最も早い日の出なのだ。両側に迫ってくる石灰岩の迫力と相まって、すばらしい光景であった。残念ながら写真に撮ると、迫力は数分の1になってしまう


雲がある日の出では、太陽光線が雲を照らし幻想的だ。
 
  
沖縄最東端の碑。 ガイドブックに書いていないけれど名所です!
8:20 秋葉神社へ。鳥居の先にあるのは小さな社。ここは沖縄県なのだが、普通に神社がある。これも八丈の文化の浸透なのだろう。近くの小山の上にも拝所(うがんじょ)があった。この島には、平地に突然小山が出ている光景が目に付く。ドリーネという石灰岩の大きな塊だそうだ。 昔の人々がこのような小山に神秘性を見出すのも不思議ではない気がする。遠くではトラクターの音。島の一日が動き出した。
8:40 北大東空港に立ち寄る。「ここからも日の出が見える」と二六荘の主人は言っていた。確かに目の前の広々とした滑走路の先から上る日の出も美しそうだ。“目の前に遮るものがない”というのも良い風景のポイントである。 駐車場に向かう道にザトウクジラのイラストが。空港の人が、「あなた、朝方に最東端の碑にいたね?」と声をかけてきた。「ええ。すばらしい日の出でしたよ」「朝には、クジラも見えたんだよ」。。。。むむむ、残念。クジラが見えたのか。。でも僕の前に出てきても気がつかなかったろうな。
9:25 北泉洞(ほくせんどう)を探す。持っている3つの地図全てで北泉洞の場所が違っている。。。案の定、近くを走ったが全然見当たらない。ポツンとある民家のおばさんに聞くと「ここから北港に向かって3軒目の家で聞いて頂戴。」その家に行くと、「あー北泉洞ね。おにいちゃんライトは持ってる?」と慣れた応対だった。「北泉洞は、中が全く整備されていなくて、懐中電灯がないと入れないし、入り口もススキで覆われて分かりにくいけど」と言いつつ入り口までの行き方を教えてもらった。道路からいきなりサトウキビ畑に分け入っていく道だった。これは誰にも分からないな。。。。サトウキビ畑の隙間を歩いていく。茶色の土は耕されたのか非常に柔らかい。まもなくそれらしき小山(ドリーネ)を発見。しかし入り口は見当たらない。。。10分ほど探るとどうも入り口らしき場所はあったものの、これは1人で入ったら出てこられなさそうだ。。。あきらめて引き返した。

このシーサーくんの守る家が、北泉洞に一番近い家。

真ん中を通る道の先にある小山の下が北泉洞 (推定)

この藪の奥が北泉洞 (推定)
10:00 中心地を走る。JAがあり、運動公園がある。人の気配はなかった。沖縄地方特有のブロックを組み立てて作った壁、ベランダ。水色やピンク色に塗ってある。駐在さんの建物も同じであった。

10:20 大東神社に。沖縄に来て本土と同じ神道系の神社にめぐり合っているのが不思議である。裏に野鳥観察で有名な赤池があるはずだが、そこまでは行かなかった。(空腹によるエネルギー不足のため。宿で朝食を食べればよかった。。)

11:00 西港付近へ。北大東島は燐鉱石が採掘されていたところであり西港ではその燐鉱石を積み出すための施設があった。石造りの立派な建物群が今は廃墟となってたたずんでいる。 道からはその廃墟がうかがえるのだが、中に入るところがない。。。おっ?トンネル状になっているところから瓦礫を越えて行けばいけそうだ。ええい!行ってしまえ! おっかなびっくりトンネルを50mも歩くと、写真で有名な燐鉱石貯蔵庫跡に来ることができた。
 燐鉱石採掘事業は、初めて大東諸島を開拓した玉置半右衛門の北大東島における事業として始まった。沖縄本島北部、伊是名、宮古、八重山諸島から労働者を募り採石をしていたそうだ。その最盛期には島の人口は4,000人にもなったとのこと。 この貯蔵庫からトロッコを使って港まで燐鉱石を運んだらしい。

12:00 琴平神社へ。「ことをたいらに治める」意味があるそうだ。社は小さくブロックを積んで作られた質素なものだ。2つの社が並んでいた。

12:20 玉置半右衛門の碑。西港近くの高台に置かれている。玉置半右衛門は、「大東諸島を始めて開拓した」人物としてこの北大東でも 特別な扱いを受けているようだ。この碑は南大東島にもあった。
12:30 是非見たかった国標。これもなかなか見つからなかった。現在工事中の西港近くの公園内にある。「国標」とはこの地が日本であることを日本政府が宣言した証。明治18年に沖縄県から来た官吏によって国標が立てられた。明治時代といえば、列強による帝国主義の時代だったわけで、一歩間違えればここはアメリカやロシアの領土になっていたかもしれないのだ。確か、ロシアの「ボロジノ号」も訪れたことがあるこの島は「ボロジノ・アイランド」とも呼ばれているくらいであるし。でもどういう歴史の気まぐれか、この大東諸島は日本の領土となったのだ。


屋根のオレンジは大地の色の象徴?


沖山さん、多和田さん、ごちそうさまでした!
13:00 北大東民俗資料館へ。この資料館は13:00開館なので行くときは注意!開館時間に行くと、同じ宿にいた鈴木さんもいた。さらにもう一人同じ宿のお客さんも来ていた。みんな考えることは同じだ。。。 大東諸島の歴史は非常に興味深い。詳細は別途紹介するが、珊瑚礁の島で海岸線は断崖絶壁。人の侵入を永らく拒否してきたこの島の歴史はわずか100年あまりなのである。八丈と沖縄の文化・風俗についても興味深かった。北大東島に行ったら必ず行くことをお勧めする。「奥山・沖山・浅沼」などの姓の人はルーツが八丈島なのだそうだ。ちなみに、沖縄に多い苗字である「仲間」は日雇い労働者という意味だったのだそうである。

13:20 民俗資料館の受付にいた地元の方2人と雑談。二人は昭和30年代後半にこの島に嫁いで来られたそうだ。 100周年記念事業で、なんと青ヶ島と北大東島の小中学校同士で衛星授業を行ったのだそうだ。「僕、青ヶ島にも行ったことがあるんですよ!」と話が盛り上がる。 北泉洞は、観光地としてはほとんど行くことができないらしい。なんでも北泉洞は県の文化財になっており、北大東村としては自由に開発したりすることはできないらしい。ガイドブック等に美しい洞内の写真が写っているだけに残念だ。
2人は本当に温かい人で、色々と島のことを教えていただいた。おまけにお茶とお菓子をご馳走になってしまった。。お菓子は沖縄のサーターアンダーギーのような感じだが、中身が詰まっておりそれほど油っこくない。ゴマも効いていて、美味であった。

14:00 ハマユウ荘に寄る。本当はここで昼食をとりたかったのだが、行ってみると「もうレストランは営業終了です。。。」とのこと。残念!大東寿司を食べようと思っていたのに。レストランの営業時間は11:00から13:30くらいまでだった。。。落胆。
しかしハマユウ荘は非常にきれいな宿である。
14:30 そろそろ北大東の旅行も終わりだ。もう一度中心部へをバイクを走らせる。中心部には駐在所、役場、診療所、JA、小中学校、保育園などが集まっている。とは言っても平地ではなくなだらかなアップダウンの道である。役場の前に、ダイトウオオコウモリの剥製が飾ってあったらしいが、見逃してしまった。。。。(でも南大東島で見たから、良しとしよう。) このアップダウンの道の上り坂で、自転車で思いっきり漕ぐどう考えても地元の人ではなさそうな若い女性を、僕のバイクはすーっと抜き去っていった。こんなところに女一人で旅行に来るんか????  しかし腹減った。。。
北大東村役場。
15:00 浅沼商店で待つ。カメラ機材を沢山持ったおじさんとしゃべる。このおじさんは「飛行場マニア」であった。生まれて初めてあった人種である。「南大東の役場ではあまり情報を教えてもらえんかった。こういう離島の旅ではコミュニケーションが大事。」ごもっとも。 僕が気になる下地島(宮古諸島・伊良部島の隣。日本唯一のジャンボジェット機発着練習用空港がある。)にも行ったことがあるという!

15:40 北大東空港へ。2人のおじさんと車で。そのうちの1人は、昨日同じ飛行機で北大東に降り立った同じ「鈴木さん」であった。

1550 搭乗手続きを終え、手荷物検査へ。検査がやたら厳しい!それに加えて、お客さんのルーズなことといったら。。携帯電話で話しながらセキュリティゲートをくぐろうとするおじさん。一旦ゲートをくぐったのに「トイレ〜」と言いながらゲートを逆戻りして駆けていく中学生。アイスを食べながらゲートをくぐるおじいちゃん(確かにアイスはゲートに反応しないけどさ。。)。手荷物検査は、リュックだろうがボストンバックだろうが、徹底的に中を調べられる。僕のリュックは中を効率よく詰め込んでいたので一旦出すと閉まらなくなってしまった。検査官は大変そうだった。那覇から飛んできた 琉球エアコミューター のプロペラ機、DASH8に乗り込む。
16:15 飛行時間3分で南大東島へ。6,500円也。リッチ。



一日の滞在だったが、北大東を十分堪能できた。そういえば、サトウキビ畑のど真ん中にいきなりスナックがあったりして、びっくりしてしまったが。。。(しかし、次の南大東島編では 更に驚きと感動が!!)
(2003年)
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