 |
6:00 起床。即出発。今日の日の出ポイントは海軍棒である。海軍棒は、岩礁をくり貫いた人工プールで有名だ。「海軍棒」は、南大東島が無人島の時代に、この地点に上陸し海軍が立てた標木を意味している。"ここが日本の領土である”ことを明確にした非常に重要な"棒”である。絶壁の頂点部に細長い棒が立っている。南大東島には砂浜はない。20mくらいある崖を急な坂で降りていくと、水面に近づく。まだ暗いのでどこまでが陸地か分からない。目の前にうっすらと人工プールが見えた。荒波がプールにそのまま襲い掛かっている。
|
7:00 雲が若干あるが、美しい朝日が顔を出す。目の前にある人工プールの輪郭がはっきりとし、プールにも朝日の照り返しが写りはじめた。美しい。日の出はそれ単体だけではなく、周りの光景と相まって美しさが増すのだ。 海軍棒を守るシーサーに挨拶をして海軍棒を離れる。
|
 |
|
 |
8:00 日の丸山展望台。ここは島の南部にあり島の中を一望できるポイントである。目の前には島の内部のサトウキビ畑がよく見える。その周囲は盛り上がった石灰岩の壁が島を取り囲んでいる。遥か北方に北大東島が見えた。遠くにはハーベスターも見える。まだ8:00を過ぎたばかりだが、島はもう動き始めているように見える。でも人は全然いないけど。。。
絶対に訪れたいポイントの一つである。 |

この島が、絶壁に囲まれていることがよく分かる。 |
とみさんからもらった 小粒なみかん「大東みかん」で朝食。
|
 |
| 0830 亀池漁港へ。クレーンもあるし、作業員も数人いる。聞いてみると「今日の那覇からの船はこの亀池漁港に着くよ。」普通はメイン港である西港に着くのだが冬は北風が強いこともあり、南向きの亀池港に着くことも多いのだそうだ。いい情報を聞いた!
早速 民宿金城に戻って とみさんとOさんに知らせる。もともとこの船が南大東島に着くのは予定より1日遅れていた。幸運にも船を見ることができそうだ。大東島に来たら船を見なきゃ! |
|
|
 |
9:10 改めて亀池漁港へ向かう。那覇から到着した貨客船「だいとう」はもう岸壁近くまで来ていた。しかし、南大東の港は水面から高いところにある。「だいとう」はスクリューを巧みに操作しながら岸壁と平行になった。ロープが港に投げられた。よく見ると港とは反対の海側にもロープがつながっている。作業員が「『だいとう』が港に必要以上に近づいてぶつからないように、海に浮かぶブイにもロープをつないでいるんですよ」と教えてくれた。このロープのおかげで、「だいとう」は岸壁と2m程度の距離を保ちながら安定しているのだ。全ての荷物、お客さんをクレーンで上陸させる「だいとう」ならではの知恵といったところか。 いよいよ荷揚げが始まった。始めの荷物は「お客さん」、である。1辺2m程度のカゴ(というかオリ!)に十人程度のお客さんが入れられ、クレーンで持ち上げられる。おいおい!速い速い、速いよ!クレーンの回転がめちゃくちゃ速い! 遊園地にある回転ブランコのようなスピードだ。しかし、港には見事なソフトランディング。鍵を開けたオリからお客さんがブアーっと出てきた。なんだかよく分からないが圧巻。Oさんもこのシーンの前に到着し、この最高かつ貴重なシーンに「すごいですね〜!」と連発しながらシャッターを切っていた。 その後は荷物を次から次へと揚げていく。コンテナやタンク(恐らく油が入っているのだろう)が占めて20個くらいか。キビキビとした作業員の動作でまたたくまに荷揚げが終わった。 じっと食い入るように見てしまった。思わず前に前に出てしまったが、作業員は安全なところに誘導してくれた。結局「だいとう」の隣まで来てしまった。普通なら絶対立入禁止だろうな。。。
|

クレーンで運ばれる船客。 |

オリから出てくる人たち。長旅おつかれさま! |
| コンテナから出てくる食料品や日用品に、商店の車と人が群がる。島では良く見る、しかし生活のためには重要な光景だ。みんな助け合いながら荷物を積み替えていた。 |
 |

|
10:30 「だいとう」からの積み下ろしが終わり、港はしばし休憩。ふとみるとOさんはもう次の目的地に行ってしまったようだ。さて、自分も行こう。島を時計回りに一周しようと進むと、サトウキビ畑の中に入り込んでしまった。気にせずその道を進んでいくと、大きな無線塔があった。NTT西日本のものだった。通信インフラ、特にNTT系のそれは本当に日本中を網羅しているようだ。ドコモのアンテナだってあるし。なんでジェイフォンは使えないの? |
 |
さて、クイズです。上の「ダイトウオオコウモリ」のマークは 南大東島のどこで見ることができるでしょう?
(1箇所ではありません) 答えが分かった方は こちらにメールをください。
|

やはり沖縄。石敢當(いしがんとう) |

大東諸島最大の有名人、玉置半右衛門さん。
|
10:40 島を時計回りで更に進み、西港方面へ。潮屋海岸入り口付近から遊歩道ができている。西港近くには公園・キャンプ場を発見。思いっきり石巌當(いしがんとう)があった。
このキャンプ場には街灯にダイトウオオコウモリがあしらってあったり、トイレがダイトウオオコウモリの羽の下にあったり、と非常にアイディアに富んだユニークなものが多い。まだ観光ガイドには詳しく載っていないようだが、一度見るには良い場所ではないだろうか。ここには、「南大東島開拓百年記念碑」もある。 |

玉置半右衛門が八丈島から南大東島に来たときの航路。大変な
ものである。
|

シャワー室かトイレ。 |

シャワー室かトイレ。 |
|
|
 |
10:50 南大東港(西地区)通称 西港。やはり大きい。メインの漁港だけある。水面からの高さも5mはあるだろうか。海の蒼が非常に美しい。透き通るアクアブルー。吸い込まれそうになる。 |
11:00 上陸の記念の碑。柱が3本立っている。時代の節目節目で1本ずつ増えていったのだそうだ。 |
 |
 |
11:35 更にバイクを時計回りに進む。前方かすかに風力発電の風車が見えてきた。最近、離島では風車が多く見られるようになった。島では風か通り抜ける場所があり、適度な高さに風車を設置すれば結構な量を発電するそうだ。この風車も島の北西部の電力需要をまかなっているそうだ。 風車の近くには「山羊道」というポイントがある。これは、看板も何もないところであるが、急坂を海に向かって下っていくところだ。恐らく昔、艀(はしけ)を使ってここから島に上陸したりしたのではないだろうか。海の波が本当に近くに見える。その後、風車と南大東港(現在建設中の、島に入り江を掘り込んで作った大きな港)を過ぎた。
|

山羊道の近くにそびえる石垣。 |

「大東島(うふあがりじま)や
海ぬ幸豊富(さちゆたか)海人(うみんちゅ)ぬ
業(わじそ)や永久(ゆゆ)に栄(さかえ)てい」 |
|
|
11:45 大池から島唯一の集落に続く道を通り過ぎる。南大東島には確認されているだけでも14の池があるそうだが、その池の間をぬって通るこの道は、パーっと開けた空間があったかと思えば鬱蒼とした木々の中を通ったりと、変化があってすごく気持ちが良い。自然が多い散策道路である。
|

|
| 大東神社はそんな、木々に囲まれた場所にひっそりと建っている。境内の池ではサギらしき鳥が飛び、社に向かう階段には、樹齢100年を超えるというダイトウビロウが何十本もそびえていた。日本古来の神社と亜熱帯植物のビロウが並んでいる光景は、本州ではほとんど見られない。ここには夜、ダイトウオオコウモリが来るというのだ。 |
 |
 |
|
|
 |
「スナックすずめの学校」「ビリヤード」この通りには10件以上のスナック、バーなどがある。フィリピンバーもある!! |
 |
 |
12:10 伊佐商店へ。Oさんはもう奥の席に陣取っていた。やってるやってる。一眼レフを大東そばと大東すしに向けている。大東そばと大東すしを注文。伊佐商店では、大東すしを日々研究しているとのことだったのでじっくりと味わってみる。大東ずしは、八丈島の島寿司がルーツで、マグロやサワラを醤油につけた("ヅケ”と呼ばれる)ものをネタとしている。小笠原や八丈島の島寿司は、ワサビではなく和ガラシを使っているのだ。伊佐商店の大東すしは若干小ぶりで、舌触りがざらつく感じでしっかりとしている。ヅケの度合いは軽めで、魚の味がしっかりしていた。大東そばは岩塩ベースのスープで、言うならば「塩味の沖縄そば」といったところ。あっさりとした味に、ペロリと平らげてしまった。これこれ、これが大東島の醍醐味なのですよ。大東すしは、この後4回食べました。。。
|
 |

あっさりして美味しい大東そば。一時期は玉子焼きが乗っていた
らしい。。。 |
|
|
 |
13:30 星野洞(ほしのどう)へ。南大東観光では絶対に訪れたいポイントである。Oさんと星野洞入り口で待ち合わせすることにした。彼女は自転車なので先に出発。僕は原付なので余裕をかまして10分後に出発。
北大東島の駐在所前で追い抜いたように、途中で追い越すさ。
しかし、私が行った当時は、集落である在所(ざいしょ)から星野洞までの道が工事中のため非常に行くのが難しい。星野洞の管理人のおばさん曰く、「10人が10人、道に迷うんだよ。。。」と。そんな私も思いっきり間違えて逆方向から星野洞についたのだった。Oさんは案の定いなく、あれこれ探してたらやっと見つかった。なんでこんな小さな島で迷ってしまったのだろう。。。地図を見るのは得意なはずの自分も参ってしまった。。狐につままれた気分。
|
さて、星野洞の中は、本当にすばらしい世界だった。歩道が縦横無尽に張り巡らされており、歩いていくと照明が自動的に点く。その光に照らされる光景は幻想的・神秘的かつ圧倒的な迫力で人知の及ばない自然の産物をこれでもかこれでもかと見せつけてくれる。
なぜか洞内はめちゃくちゃ暑くて仕方がない(普通、鍾乳洞って涼しくないか?)のだが、美しい。南大東は隆起環礁によって形成された島であるので、このような鍾乳洞がまだ他にも隠されているかもしれない。
|

地下へとまっすぐ続く道。 星野洞の本当の入り口は別に
あるそうだが、観光用にこの道が掘られたという。 |
 |

恐ろしくなるほどとげとげしい鍾乳。 |

真ん中の青く見えるものが手すりつきの通路。
どうやって設置したのだろう。。 |
|
|
 |
14:30 まだまだ見ていない場所がいっぱいある。北港に到着。盛んに工事が行われていた。恐る恐る近づいてみるとダンプのおじさんが「下まで行っても大丈夫だよ」と教えてくれた。安心して岸壁まで降りていく。ここは比較的水面に近い。眼を遠くに向けると北大東島がはっきりと見えた。北大東島と南大東島は、昔からこの距離を保ってきたのだろうか。それとも。。
大東諸島は、絶海の「孤島」ではない。島から他の島が見えることは、心理的な安心感がある。 |
| 15:00 星野洞と並ぶ南大東島絶景ポイント(と私は思っている)バリバリ岩。地殻変動で割れた1mほどの岩の間を歩くのだ。入り口は狭く茂みの一角に「バリバリ」という手書きの看板があるだけであった。そしてその脇には「関係者以外立ち入り禁止」の垂れ幕も。。。ちょっと不安になりながらも茂みの中のわずかな道の形跡をたどる。 |

バリバリ手書き。 |
 |
突然、左右に大きな壁が出現した。この岩に挟まれた光景。これがバリバリ岩の絶景なのか!。。更に奥に進んでいくと、岩にぽっかり穴が開いておりその穴は斜め下に向かっている。恐る恐るその穴を下っていくとこのバリバリ岩の最深部についた。10mほど歩くと行き止まりになっている。なにか神秘的な形の岩が立ちはだかった。ちょっと脇を除くと、まだ下に穴が続いていた。。。下へ下へと際限なく続く穴には恐怖を感じた。戻ろうとして振り返ると、上から差し込む太陽の光が、今来た道を照らしていた。ここでは自然の造形の神秘を感じることができる。そして、今にも崩れてきそうな左右、上の岩の恐怖感。バリバリ岩は南大東を紹介したパンフレット等にもまだあまり記載されていないが、絶対に行くべき!ポイントである。
|
 |
 |
|
|
15:00 大池の展望台へ。大池には、オヒルギ群落がある。オヒルギは、マングローブの一種であるが、このオヒルギは 海から完全に隔離された大池の淡水で群生するマングローブであり世界的にも非常に珍しいそうだ。あまり大きくはないこの南大東島で、豊かな水を湛えている大池であった。
15:30 展望台に来るときにすれ違ったOさんが、「向こうでハーベスターが動いてますよ!」と教えてくれた。展望台から見ると、遠くにハーベスターでの収穫が行われているのを発見。近くで見ることにする。ハーベスターは、サトウキビ収穫のための大型機械で、2mはあろうかというサトウキビを根こそぎ刈り取り、表面の皮を剥ぎ取ってから大きなアームを使って隣のダンプに積み込む一連の作業を行う。ハーベスターとダンプはゆっくりと併走しながらサトウキビを刈っていくのだが、この2台の動きがなかなか見ものである。息が「ぴったり」とは合っていない。でも「なんとなく」息が合っているのだ。70才になってから社交ダンスを始めたおじいさん(ハーベスター)のギコチナイ動きに、「しょうがないねぇ」といいながら同じようにギコチナく寄り添って踊っているおばあさん(ダンプ)って感じ。剥ぎ取られた皮は遠くまで飛んでくる。僕のところまでバラバラと飛んできて、道路一面が皮でいっぱいになってしまった。このサトウキビ機械化大規模農法は、日本の他の地域では見られないものだ。社有地として基本的には一貫した体制で開拓されてきたこの島の農法が今も残っているのだろう。 |

ダイナミック! |

目の前まで飛んできたサトウキビの皮 |
 |
1600 旧空港付近。今の南大東空港は島の東部にあるが昔の空港は島の中央部に東西方向に伸びていた。空港跡は現在 住宅や複合運動施設、島まるごとミュージアム という展示館などが出来ている(滑走路の上に建っているのだ!)。驚いたのが、旧空港の管理棟の建物が残っていたことである!「南大東空港」という文字も残っていた。タクシーで「南大東空港まで!」と言ったら間違ってこっちに来ちゃうんじゃないだろうか。。。そんなことはないよな。そもそも南大東にタクシーはなかった。 夜に来たら怖そう。
|

廃墟となっている南大東空港旧ターミナル。 |

滑走路の上に、じゅっ住宅がぁぁ! |
|
| 17:00 金城に帰ると、見知らぬ女性。今日から金城に泊まるとのこと。南大東にダイビングをしにきたHさん。南大東のダイビングショップにFAXで頼んでおいたが返事がないまま「まあいいか」ということで来ちゃったそうだ。すばらしい!ぶらり旅の鏡!うらやましい! 早速夕食の相談をし、3人で「き作」に行って「幻のインガンダルマ」に挑戦しに行く約束をする。そして夕日を塩屋海岸に見に行く。ちょっと雲が多かったかな。。。 |
 |
 |
18:20 「き作」。 今日一日本当に走り回った。ビールがやけに美味しい。早速色々と注文する。まずはインガンダルマ。これが一番の目的である。
取れたときだけサービスで出してくれるこのインガンダルマ。ものの本を見ても、味の評価は少なく「食べ過ぎるとお腹が大変な状態になる」といったことしか書いていなかったので嫌が応にも期待(不安)は高まる。禁断の食!
保健所とかが指導に来ないのだろうか。。。
インガンダルマは深海魚である。思ったよりあっさり。オオトロのような質感である。シソの葉がはさんである。にぎりもよいが、インガンダルマは鉄火巻きがお勧め。海苔の味と合わさると非常に美味である!
ナワキリ。塩焼きで食べた。タラ白身と似ている。少し甘味と脂っこさがある。銀タラほどではないが、なかなか美味しく食べられた。これも深海魚。
大東すし。主にサワラでつくる。切り身をヅケにしている。店によって味が違う。ここのは少し甘め。ネタが滑らかでつややか。美味しい。ビールと一日の疲れで酔いが回る。
|

これがインガンダルマ。不気味。

インガンダルマの握りと海苔巻き。海苔巻きが最高に美味! |

この不気味なアブラ。。 脂汗出そう。。
|

ナワキリの塩焼き。 |

大東すし。昼、伊佐商店で食べたのよりもネタが滑らか
つややかであった。 |
| 20:00 「ダイトウオオコウモリ」を見たくなって、Oさん、Hさんに相談。全員一致で「見に行こう!」。。。。はて、どうやって見たらいいんだ?
迷ったときは伊佐商店へ。確か、昨日「ダイトウオオコウモリを見ますか?」とか言ってたジャン!伊佐商店に飛び込み、ダイトウオオコウモリを見たいとねだる。南大東商工会の金城さん、伊佐商店の若旦那はいやな顔ひとつせず(してたかもしれないけど、見えなかった?)に軽トラックを出してくれた。荷台に乗って大東神社へ。真っ暗な大東神社。金城さんは発泡スチロールを持ち出して車のガラスに擦り付け始めた。あの特有の「キーキー」音がコウモリを呼ぶのだそうだ。数分すると上空の木々の隙間から何かが飛んできた。「あれがダイトウオオコウモリですヨ」と金城さん。暗闇を優雅に飛び回っている。3匹は来ただろう。不思議な時間だった。しばし感動。帰りの軽トラの荷台では、「あっ!後ろの茂みに何かが見える!」「キャーやめてよぉ」ってな"普通の中学生の修学旅行の夜の肝試し”のような
干からびきった会話をしながら在所(ざいしょ)に戻ってきた。 |

大東神社の夜空。この空をダイトウオオコウモリは飛び回っていた。 |
 |
よく分からないですが、勢いで記念写真。伊佐さんどうもありがとうございました。
21:50 金城着。就寝。
|