旅行紀(1日目)![]() |
17:10 津堅島に渡るために平敷屋港に向かう。それほど遠くないと思っていたが、なんのなんの。遠いわ道が分かりにくいわで、これは難所である。近くの兼久商店で道を聞くと、店番のおばさんは答えに窮していた。 17:20 なんとかそれらしきルートをたどり、目的地に近づいてきた。客船ターミナルには無いと思い、ストアーでビール+かまぼこを買い込む。これで準備はOK。 |
| 17:30 平敷屋港から18:00発の船が、津堅島に行く最後の便である。やっと平敷屋港に到着。待ち合い所には老女が一人。カウンター脇には「にんじん500円」と山積みで売られている。 乗船券を買う。往復で1,490円なり。「津堅島の地図を下さい。」と尋ねる。さらに置いてあるパンフレットを何枚か取っていると、待ち合い所にいたおばあさんが「それはタダだから、友達にも分けてあげんしゃい。」と笑いながら話していた。 |
![]() 1袋500円のニンジン。 |
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17:55 出発の18:00近くになっても、待ち合い所には何の変化もない。そわそわし出して外に出る。まだ船は来ていないのか?高い堤防に登って船の来港をながめようとしたが、荷物が重かったのでやめた。ふと後ろを振り替えると、「平敷屋−津堅」という札がついた船が! 近づいて見ると、さっき切符を売っていたおばさんが手招きしている。なんだ、船はとっくの昔に着いているじゃあないか。。。あぶなかった。 |
| 18:00 船はあっという間に本島を離れた。本島と津堅島の間は5km程度しか離れていない。この付近は沖縄石灰岩の性質が違うのか、こけしの頭のような奇岩が多い。名もない岩ばかりだろうが、見ていて飽きが来ない。 浮原島も遠方に見える。あの島には行けないのだろうか。。船内にはタウンページが山と積まれていた。 美しい夕日が見える。「CARROT LINE」と描かれたニューつけん号は、津堅港に滑り込もうとしている。 |
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18:20 船は20分程度で津堅島に到着した。広い港である。100m四方駐車場で、しっかりした港であった。船内のほとんどの客は島民であるのだろう。迎えの車で次々と港を後にした。ぽつんと残った自分。予約していたやど「南原旅館」は港から近いということだったので、迎えには来ていないと思っていたが案の定だった。少し先に見える集落の一歩奥に旅館はあった。「すいませ〜ん」呼べども返事はない。。ずかずかとあがり込み、再度「すいませ〜ん」。おかみさんがやっと出てきた。「今日お客さんは他にいないんですよ。。」と。津堅島は海水浴シーズンはかなり賑わうらしいが、その他のシーズンは静からしい。
「にんじんの島」として知られている津堅島であるが幸か不幸か、歴史的遺構についてはあまり知られていない。 18:30 「鈴木さん、食事はどうします?」「ええっと、素泊まりにしようと考えていたんですが、近くに食べるところはありますか?」「ああ、そうしてもらうとウチも助かるわ。すぐ近くに商店があるのでそこで食事できますよ。」とのこと。 今まで話をしていたおばさんは本島に住んでいて、たまに津堅に戻ってくるのだそうだ。なにやら色々としゃべりながら、宿の台所に行くと、おばあさんが食事を作っていた。洗面器に入った葉っぱ。「これは何ですか?」と聞くと、「よもぎ。明日ジュースにするんだよ。」といいながら缶入りのさんぴん茶をくれた。 |
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![]() デイゴの向こうの夕日。 |
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18:39 美しい でいご。でいごの後ろで今日唯一の夕日が、役目を終えようとしている。 |
| 19:00 アサトストアーに。商店の隣には、仕切り戸のない食堂らしき所が。おじさんと子供2人がいた。「食事したいんですが。。。」「沖縄そばくらいしかできないけど、、、いいでしょうか?」 明らかに戸惑っているおかみさんを見つつ、「いいですよ!他に刺身とかがあれば。。。」と、ビール&刺身を注文する。薄暗い食堂で、明日の計画を練る。 |
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| 「わーい!ゆうひみえた〜!」子供がはしゃいでいる。(ゆうひはもうおちちゃったよぉ)と思いつつその姿を見る。子供たちは、まもなく 異質な人間に気づく。僕をちらちらと見る子供たち。お父さんがそれをたしなめる。まもなく運ばれてきたビールと刺身。刺身はカジキマグロであった。淡白な味である。 「ゆうひはみえた?」と聞いてみる。「うん」「このさかななんだろうね。。」「わかんない」。出てくる料理にカメラを向ける僕を見て、「あのおにいちゃん、しゃしんとってるよぉ」子供たちはこの見知らぬ人間に慣れたようだ。僕が持っていた(というかさっきアサトストアーのレジのところでもらった)津堅島のパンフレットを見て「これってなんてよむの〜?」と聞かれた。「これは、“うたき”ってよむんだよぉ」「これは? これは?」矢継ぎ早の質問攻撃。ビールの泡が消えちゃうかもしれない勢いだった。。 |
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![]() アサトストアーの沖縄そば。 |
![]() カジキマグロの刺身とビール(見れば分かる)。 |
![]() 泡盛「まさひろ」とニンジンチャンプルー。 |
19:20 見知らぬ人間に子供を取られるかと思ったかどうかは分からないが、お父さんは子供を連れて帰っていった。しばし食事を楽しむ。沖縄そばを食べる。 19:30 後から来たおじさんと話す。おじさんは千葉で働いていたことがあるそうだ。自分の親もそろそろ体力がなくなってきたから津堅に戻ってきたらしい。中山競馬場に良く通った話をしてくれた。「僕、中山競馬場の近くに住んでいたことがあるんですよ。サクラが綺麗ですよね!」 時々アサトストアのおばさんが会話に加わってくる。僕が仙台に長らく住んでいたことを話すと、急におばさんは喜びだし、「宮城県から来ている板橋さんという人が津堅にいるんですよ!パイナップルを作っているんですよ。」どうもその人は、パイナップルを作るためにこの島に来たらしい。でも、なぜ津堅島でパイナップルなのだろう?なぜ宮城県から津堅島なのだろう。 「この店にもよく来るんですけどねぇ。。。今日は来ないねえ。。電話してみましょうか!」と 僕の答えを聞く前に電話をかけていた。 19:40 しばらくその“板橋さん”なる人物と話をしていたおばさん。「鈴木さん!電話に代わって!」とのご指示。電話をしてみるとしっかりとした人であった。明日会う約束をした。宮城から津堅でパイン。この不思議が明日解けるかもしれない。 |
| 20:00 おじさん、おばさんと色々な話をする。 (僕)「インターネットで、色々な島の旅行記を紹介しているんですよ!」 (おばさん)「パソコンは、学校で一週間教えてもらったけど、難しいねえ」 (おじさん)「あんたは、だめだめ。覚えられない」(おばさん)「あっはっはっは」 (僕)「インターネットで、この店の宣伝しましょう!」 (おじさん)「そりゃあいいや、写真撮ってもらいな!」 ってことで、おばさんの写真をパチリ。しっかり宣伝させていただきますよ!アサトストアーさん! |
![]() アサトストアーのおかみさん。 宣伝しまっせ! |
| 20:30 出てきた料理を食べきった僕は、席をおじさんの向かいに移動させ、おじさんが入れた泡盛のボトル「まさひろ」を飲みながら話を続ける。出てきた
にんじんチャンプルーは、つまみに最高であった。にんじん、キャベツ等を混ぜて炒めただけのシンプル料理だが、にんじんの甘みが引き立っていて味が濃かった。いい味だった。「にんじん丼なんて作ったら、こりゃあもう最高だよ。なんてったってここはにんじんの島なんだから。」 おっしゃるとおり。にんじんが本当にうまい。本当にうまい。 20:40 津堅島の北にある無人島「アフ岩」は、干潮時には歩いて渡れるのだそうだ。でも今の季節の干潮は 3時と15時。 21:30 思わず長居してしまった。「まさひろ」も既に半分が空いてしまった。一緒に飲んでいたおじさんは外のベンチにいた。「おまえ、家に泊まっていけぃ! 津堅は宿なんて泊まらなくたって大丈夫なんだぞぉ。あら、予約してるんか。。」と言いながらふらふらと、暗い夜道に消えていった。 21:40 旅館に帰る。港に向かう。星空が綺麗であった。対岸の本島の光も美しい。今、自分は津堅島の空を見ている。北斗七星がほぼ真上に見えた。 |
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